冬の旅 ヴィルヘルム・ミュラー
訳詩:神崎昭伍
※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。
この上もなく深い岩の谷間に,
鬼火のたわむれが私をさそい込んだ.
どうすれば逃れ出られるのかは,
大して気にならない.
迷い歩くのに私はなれている.
全ての道は目的地につづいている
我われの喜こび、我われの苦しみ,
すべては,一つの鬼火のたわむれ!
谷川の乾いた川床のうねる道をたどり
私は落ついて降って行く.
すべての川は海に達するだろう.
すべての苦しみも墓に到るのだ.