冬の旅 ヴィルヘルム・ミュラー
訳詩:神崎昭伍
※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。
休息のために横になって,
今はじめて私がどんなに疲れているかに気づく.
旅はもてなしてくれる人とてない道で,
私の勇気を支えてくれた.
足は休息を求めたりはしなかった.
立ちどまるには寒すぎた.
背なかは重荷を感じたりはしなかった.
嵐は私がすばやく道をたどる助けとなった.
炭焼きの狭い家に
私は泊めてもらうことになった.
だが私のからだは休んではいない.
その傷は燃えたつようだ.
ああ,私の心よ,戦いと嵐のときには,
あんなにも荒あらしく勇敢なお前は,
静かになって始めてお前をむしばむ苦しみが
うごめき,はげしく刺すのを感じている!