シューベルト歌曲集「冬の旅」作品89 D.911(全曲)訳詞
Die Winterreise / Franz Schubert


冬の旅  ヴィルヘルム・ミュラー
訳詩:神崎昭伍

※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。


15 からす


一羽の烏がいっしょに
街からついて来ていた.
今日いつまでも
私の頭をめぐって飛んだ.

烏よ,奇妙な生きものよ,
私から去ろうとしないのか?
まもなくここで獲物となった
私の身体につかみかかるつもりなのか?

きあ,旅の枝にすがるのも,
もう長いことではないだろう.
烏よ,墓にまでいたる忠実さを
これを最後と見せてくれ!


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