冬の旅 ヴィルヘルム・ミュラー 訳詩:神崎昭伍 ※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。
一つの光が親しげに私の前をおどって行く. 私はあちこち,でたらめについて行く. ついて行くのがたのしいのだ.そして,その光が 旅人を惑わすのだと悟る. ああ,私のように惨めな男は. 華やかなたくらみによろこんで身をゆだねる. 氷と夜と恐怖のかなたに 明るく温かい家と そこに住むいとしい人を見せるたくらみ. 錯覚だけが私の手に入るむくいなのだ.
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