冬の旅 ヴィルヘルム・ミュラー
訳詩:神崎昭伍
※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。
墓地へと道が
私をつれて来た.
ここに宿をとろうと
私はひとり考えた.
死者をとむらう緑の葉かざりが
おそらく宿のしるしなのだろう,
疲れた旅人を
冷たい宿へとまねいている.
この家では,それでは
部屋がぜんぶつまっているのか?
私はたおれるはど疲れている,
死ぬほどの傷をうけている.
おお,無慈悲な主人,
私をしめ出すのか?
それでは先へ進もう,先へ,
私の忠実な旅の杖よ!