冬の旅 ヴィルヘルム・ミュラー
訳詩:神崎昭伍
※テキストデータのためウムラウトなどは省略しています。
三つの太陽が空にかかっていた.
私は長い間,しっかりと見つめていた.
そして三つの太陽もまた,じっとしていた,
私から去って行きたくないようだった.
ああ,お前たちは私の太陽ではない!
ほかの人の顔を見つめるがよい!
そう,先だって私にも三つの太陽があったことがある.
いま,いとしい二つは沈んでいる.
三つ目の太陽もつづいてなくなってくれていれば,
暗闇につつまれて,私はもっと幸福だろうに.